ヒルドイド軟膏はヘパリン類似物質を主成分とする薬で、高い保湿効果が特徴です。乾燥による肌トラブルからアトピー、キズ跡やニキビ跡の改善などに多く処方されています。
ヘパリン類似物質には、角質に水分を付与し持続的な保湿効果が期待できます。また、血行を促進する作用もあり、しもやけや血栓の解消などにも有効です。
今回は、そんなヒルドイド軟膏の特徴や正しい使い方、副作用について解説します。
ヒルドイド軟膏は、ヘパリン類似成分を主成分とする薬です。1番の特徴は高い保湿効果ですが、凍瘡、瘢痕・ケロイド、指掌角皮症、皮脂欠乏症などの治療にも使われます。
ヒルドイドには軟膏、ローション、フォームなど異なったタイプがあり、なかでも軟膏タイプは他のものより保湿力が優れているのが特徴です。
保湿剤として処方されることの多いヒルドイド軟膏。その効果には、ほかに次のようなものが挙げられます。
ヒルドイドといえば、保湿力の高さが特徴です。
有効成分であるヘパリン類似物質が水分を吸収し、周りの角質に付与する働きを持っています。乾燥による肌トラブルやアトピーの改善などによく使用されます。
ヘパリン類似物質には、血行を促進する作用もあります。そのため、血行不良による痛みや不調にもヒルドイド軟膏が有効です。
具体的には、しもやけや皮膚の表面近くにある血管にできた血栓の溶解などが挙げられます。
やけどのあとや傷口、ニキビのあった箇所に跡が残ってしまうことがあります。ヒルドイド軟膏は、キズ跡の改善にも有効です。
ヒルドイドを塗布した部位の血行が良くなることで、赤く盛り上がるようなひきつれを起こしてしまっている患部を改善する効果が期待できます。
やけどやニキビの跡にお悩みの方におすすめです。
これまでご紹介したヒルドイド軟膏の特徴をふまえ、ヒルドイド軟膏がおすすめなのは以下に当てはまるような方です。
ヒルドイド軟膏は、改善したい症状や部位にあわせて1日1回から数回、適量を塗布して使います。使用する量は人差し指の先から第一関節くらいまでが一般的です。
乾燥による肌トラブルやキズ跡の改善に有効なヒルドイド軟膏ですが、正しく使用しないとかえって症状を悪化させてしまう可能性があります。
ヒルドイド軟膏を使用する際は、以下の注意点に気を付けて使いましょう。
キズ跡の改善に効果のあるヒルドイド軟膏ですが、傷口や切り口には直接使わないようにしてください。ヒルドイドには血行を促進する作用があり、出血を助長してしまう可能性があります。
傷の炎症が落ち着いた後に使用しましょう。
ヒルドイドは、乾燥による肌トラブルやアトピーなどの改善のために処方される薬剤です。一般の方が保湿力の高いクリーム代わりに使用するのは控えましょう。
有名人が「ヒルドイドには保湿効果がある」と発信したことで、美容目的でヒルドイドの処方を求める人が増え話題になりました。
しかし美容目的の使用は本来の用途とは異なり、適切な効果が望めないほか副作用が生じる可能性もあります。
当院では、マルホ株式会社により製造されているヒルドイド軟膏を処方しています。
製品名 | ヒルドイドソフト軟膏0.3% |
成分 | ヘパリン類似物質、グリセリン、スクワラン、軽質流動パラフィン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、白色ワセリン、サラシミツロウ、グリセリン脂肪酸エステル、ジブチルヒドロキシトルエン、エデト酸ナトリウム水和物、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル |
内容量 | 25g |
参考:添付文書「ヒルドイドソフト軟膏0.3%」|マルホ株式会社
病院で処方してもらえる薬には「先発医薬品」と「後発医薬品(ジェネリック医薬品)」の2種類があります。
先発医薬品 | 後発医薬品(ジェネリック医薬品) |
日本ではじめて厚生労働省に承認されたもの開発した企業は特許申請を行い、その後20~25年にわたり独占的に製造、販売ができる | 先発医薬品の特許期間が満了したあと、同じ成分を使って製造されたものゼロから開発する必要がないので、比較的お手頃な価格で手に入る |
クリニックによって処方している種類が異なるため、医師の説明を聞いた上でご自身で選択しましょう。
当院で処方しているヒルドイド軟膏25gは、マルホ株式会社によって製造されている先発医薬品です。
ここでは、ヒルドイド軟膏に関するよくある質問にまとめてお答えいたします。
ヒルドイドは、非常に副作用が少ない薬です。しかし、ごく稀に赤みやかゆみ、刺激、皮膚炎などを起こしてしまう可能性があります。
異常を感じた際は使用を中止し、医師に相談してください。
ヒルドイドそのものには、シミを消すような美白効果はありません。
シミが消えたというのは、ヒルドイドの効果で肌の新陳代謝がアップし、古くなった角質が剥がれ落ちたことで結果的にシミが薄くなったのだと考えられます。
ヒルドイドには傷口を治す効果がありますが、炎症を起こしている箇所や傷口に直接塗るのは控えましょう。
同様に、やけど直後や水疱、炎症の強い湿疹がある部位などにも塗布しないことをおすすめします。
顔の保湿用にも問題なくお使いいただけます。ただし、目や口に入らないよう気を付けてください。
当院で取り扱っているヒルドイド軟膏のメニューと料金は下記のとおりです。
ヒルドイド軟膏25g | 935円(税込) |
ローションタイプのものより保湿効果の高いヒルドイド軟膏は、肌の乾燥からしもやけ、キズ跡の治療まで幅広いお悩みを解決します。
当院では軟膏タイプとローションタイプの両方を取り扱っておりますので、お悩みにあわせてぴったりなタイプをお選びいただけます。
気になる方は、ぜひお気軽に無料カウンセリングへお越しくださいませ。
参考: