脱毛は完了までに時間がある程度かかるため、女性ならではの環境の変化が起きることがあります。そのうちのひとつが「妊娠」です。
妊娠はおめでたいことではありますが、体に大きな変化をもたらします。そしてどの脱毛サロンのホームページでも妊娠中の施術は禁止されています。しかし、妊娠初期の場合気付かずに脱毛をしてしまったという人も中にはいます。
今回は、妊娠中に脱毛をしてしまった場合の赤ちゃんへの影響や、妊娠中の毛の処理・肌ケアなど対処法をご紹介します。
そもそも、なぜ妊娠中に脱毛することが出来ないのでしょうか。
妊娠すると、女性ホルモンのバランスが通常時とは大きく異なります。そのため、脱毛をした場合には次のようなトラブルを起こしてしまうことがあります。
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妊娠中は女性ホルモンの影響で毛が濃くなる、毛周期が乱れるなど通常時ではあまり無いような状態になりがちです。せっかく脱毛をしたのに効果が得られない上に回数を消化してしまってはもったいない結果に終わってしまいます。
ホルモンバランスが崩れていると、少しの刺激にも過度に反応してしまう事があります。いつもより赤みがひどくなり、痒みが出ることもあります。
妊娠中は使える薬も少ないので、症状によっては自力で回復を待つことになる可能性もありますので気を付けなければいけません。
いつもなら何も感じない施術中のローションや機械の匂いも、妊娠中の体には刺激的に感じる場合があります。途中で気分を悪くしてしまい、中途半端な施術で終了する上に回数まで消化してしまうので全くいいことがありません。
背中や全身脱毛をする場合、どうしてもうつ伏せの状態での施術になります。妊娠中に無理な体勢になると体調不良の原因になります。
そもそもうつ伏せになれないという場合も出てきますので施術が満足にできません。
妊娠中の不安定な肌に施術をすると、いつもなら全く痛くない照射に痛みや不快感を感じる事があります。
ゴムではじかれたような痛みやチリチリとした刺激がいつもより倍増する人もいます。その痛みでつわりのような気持ち悪さを誘発してしまう場合もあります。
現在日本では医療脱毛ではレーザー脱毛、サロン脱毛ではIPL脱毛とSHR脱毛が主流となっています。
それぞれの仕組みと胎児への影響について簡単にまとめました。
レーザー脱毛は、医療用レーザーを用いた脱毛方式です。 クリニックで行われる 脱毛方法で医師の診察が必要です。
メラニン色素に反応する光を肌に照射すると、毛根にあるメラニン色素が反応します。その光の熱でダメージを与えることによって、毛母細胞という毛を作る部分を破壊します。クリニックの「永久脱毛」で利用されている一番多い施術方法です。
レーザー脱毛で使用している光は毛根に作用するものになりますので、肌の表面までしか届きません。レントゲンなどとは違い、体内(胎内)まで通る光とは波長が全く異なります。
そのためすでに脱毛してしまった人は、今後控えれば問題はありません。
IPL脱毛のIPLとはインテンス・パルス・ライトの略語になります。
光が連続して毛の黒いメラニン色素に反応する仕組みになり、徐々に徐々にムダ毛をなくしていく方法ですが、医療用のレーザー脱毛より照射の力は弱めになっています。
IPL脱毛中に光っている物質は「キセノンランプ」といい、主にカメラのフラッシュや医療器具に使われている強い光で人体には無害なものです。医療レーザーと比べると照射強度が低いのがデメリットと思われがちですが、その分刺激も少ないため、赤みや痛みなどの被害が起きにくい脱毛方法です。
レーザー脱毛よりも弱い光であるIPL脱毛も赤ちゃんには影響はありません。カメラのフラッシュに使われているような光になりますので、母体だけではなく赤ちゃんにも無害です。
SHR脱毛とは、「スーパーヘアリムーバブル」の略になります。
SHR脱毛は毛全体を包んでいる「毛包」と呼ばれる広い範囲に弱い熱を繰り返し当てる痛みが少ない方法になります。
この毛包の中には「バルジ領域」と呼ばれる、毛を作らせる働きを指示する司令塔のような部分があります。このバルジ領域にも弱い熱を当てるので、生えている毛というより、これから作られるであろう毛を作らせにくくする脱毛方法です。
SHR脱毛はこれから作る毛にアプローチするので毛周期とは関係ありませんが、ホルモンバランスが崩れている肌には影響がないと言い切れない為基本的に施術はNGとなります。
しかし、赤ちゃんに気付かずに施術してしまっても問題はありません。SHR脱毛は毛根よりももっと皮膚の表面に近い部分にしか光は届いていません。そのため子宮や赤ちゃんに影響はないので安心してください。
妊娠に気付かずに脱毛をしてしまった場合、何かしないといけないことはあるのでしょうか。
妊娠に後から気付いてしまっても、まったくいつもと変わらなかった、運よく副作用や影響がなかったという人もいます。
その場合は特に問題はありません。光自体が体にずっと残り続け影響があるものではないため、今後脱毛を控えればいつも通り生活して大丈夫でしょう。
ホルモンバランスの影響からか、いつもなら起きない肌トラブルが発生してしまった場合は、迷わず皮膚科など医療機関に相談に行きましょう。
飲めない薬は多いですが、病院でしかもらえない塗り薬や、妊婦でも処方できる薬の提案をしてもらえる場合があります。また、肌ケアの方法を教えてくれることも。
家にある皮膚科でもらった薬やローションなどを自己判断で使うと余計敏感な妊婦の肌には悪影響なことがあります。また、肌に傷跡として残る可能性もありますので、必ず医師に相談し指示に従うようにしてください。
妊娠中とはいえ、産婦人科への検診や、普段洋服から露出している箇所、さらにはマタニティーフォトなどに挑戦されるなど様々な理由で毛の処理をしたいですよね。そんな時のおすすめ方法をご紹介します。
カミソリや脱毛クリーム、家庭用脱毛器などは妊婦の肌に刺激が強すぎて危険です。フェイス用電気シェーバーであれば、刺激も最低限ですし、正しい使い方をすれば怪我のリスクも低くなるのでおすすめです。
一部のシェービングサロンやワックス脱毛サロンではマタニティーコースを用意していることがあります。
マタニティーフォトの前にこのようなプロの力に頼る方も最近は増えてきており、対応しているサロンは一昔前よりも増えていますので、ここぞという時にプロの方にお任せするのも良い方法です。
脱毛サロンには、たいてい休会制度を設けています。どうしても脱毛完了までは何度か通うことになりますから、妊娠・出産を経験する利用者さんは割といらっしゃいますので、相談をすれば対応してもらえます。
脱毛の再開時期はサロンやクリニックによって規定が異なりますので一概には言い切れませんが、少なくとも出産後、1か月後の産後検診までは通うことが出来ないと考えておいた方が無難です。もっと長く再開まで時間を設定している店舗もありますので、コールセンターなどに問い合わせをすることをお勧めします。
当院でも妊娠出産による休会制度はもちろんご用意しておりますので、まずはお気軽にスタッフまでお問い合わせください。
今回は妊娠中の脱毛がどのように影響するのか、トラブルや対処法をご紹介いたしましたが、万が一妊娠中に脱毛をしてしまっても赤ちゃんには影響がないという事で一安心された方も多いと思います。
しかし、妊婦の肌は敏感なので想定外のトラブルが起きる場合がありますので、何かあった場合は必ず医師に相談が必要です。
さらに、もし妊娠に気付いた場合はすぐにサロンやクリニックに連絡し、休会制度の申請方法を聞いてみてください。